アメリカで日本の運動会をしたらこうなった
- 2015/11/09
- 07:24
今日はアメリカで日本のミニ運動会をした。
日ごろより、このブログでアメリカの学校のよいところばかり紹介しているが、
正直言うと
アメリカでは日本の文化の素晴らしさばかりを紹介しているのだ。
その一つに
日本の運動会に象徴される「一体感」という気持ちを
私の日本語のクラスで生徒に経験させている。
一日に1時間しか一緒に過ごさないが、
日本語のクラスはみんな家族なんだよ。と言ってあげる。
だから日本語のクラスは
「僕の一番好きなクラス」
と言ってくれる生徒がいるのだ。
日本語のクラスで日本の運動会をはじめて今年で10年目を迎えた。
運動会をはじめたきっかけは相棒のアメリカ人の日本語のジュリア先生が日本に行って
運動会に感動し、ここでもやろうと言って企画したのだ。
校内新聞より
運動会とよんでもいいのか?
と言っても日本人から見れば我々の運動会は運動会とは呼べないかもしれない。
まずあまり走ってはいけない。
これは前にも話したが、ライアビリレティーと言って事故に対する責任が重いので、
怪我をしたら大変な事になるのだ。
だから全部早歩きをさせた。
次に学校全体が運動会をすると言うのはありえないので、
日本語のクラスだけ5クラスが放課後に2時間行うだけである。
それも希望者だけで、参加者にはエキストラトラクレジットと言って
小試験に点数を少し加算してあげるのだ。
エクルトラクレジットというのは生徒に大人気。
たとえば、今までの小テストの合計点が`1500点だとする。
そこに運動会に参加したら10点追加する。とか
授業中にゲームをして勝ったチームには1点あげる。
とかいう事だ。
たいして成績に変わりはないのだが、私の学校の生徒は大喜びするのだ。
今年運動会に参加した生徒は全体の90%以上だった。
生徒は大好きだ。
アメリカ人は整列の仕方を知らない
競技内容は
開会式
1.入場行進 2日本の君が代 国旗掲揚 3.ラジオ体操4宣誓 5チームチャント
ゲーム
1 風船割り競争(おしりで風船を割る) 2. 玉いれ 3ヒューマンノット 4パン食い競争 5 ムカデ競争6.Japanese Relay
閉会式
1 結果発表 2表彰(勝ったチームにプレゼント)3.参加者にチョコレートクッキーを
human knot はアメリカのゲーム?
と格好よさそうだが、実は.......
日本人から見れば入場行進もめちゃめちゃ。きちんと並んで行進なんかした事がないから飛び跳ねたりぶらぶら歩いたり。ただ共通して言える事は生徒は興奮の絶頂で楽しくて仕方がない。という事。
そもそもアメリカの生徒は整列をしたことがない。だからまっすぐ並ばせようとしても絶対に無理だ。
だれか「前にならえ」のビデオを作ってくれたらそれを私の生徒に見せたい。
整列するという事を知らないのだ。
日本人から見れば今時君が代なんて。。と思うかもしれないが、きのうアメリカで150人の生徒が日本の国旗を掲揚したのだ!!
ラジオ体操 これも今は「ようかいたいそう」 なのだよ。と言われそうだが、生徒はすごく好きなのだ。
この2ヶ月授業のはじめにまずラジオ体操をしたが、生徒は面白がってめちゃめちゃ喜ぶ。
しかしこれまた日本人には見せられない。腕は曲がっているし音楽に合っていないしめちゃめちゃだ。からだを回すところなどになると「ワー」とかいう歓声をたてながら皆で体を回しておもしろがってまわすのだ。
日本の先生に見せたらおこられるの間違いなし
。
生徒が楽しめばよいのだ
前にも話したが、アメリカの学校行事のほとんどは親に見せるものでなくて生徒が自分達の為にするものである。
だからこの運動会を見に来た人はいない。
たまたま通りかかった先生方や管理職があとで
"Wonderful!!"
というコメントを言ってくれる。
それは生徒がまっすぐ整列しているからとかじゃなくて
生徒が本当に楽しんで日本の文化「運動会」をしているからだ。
だから整列がへたでも ラジオ体操の腕が曲がっていようと問題にならないのだ。
運動会の準備練習時間は全部で2時間あまりしかかけていないし....
それに時間外勤務など払われないのに放課後にこの様な行事を自ら行う。
これまた日本的で アメリカでは褒められる。
ピカチュウ組まで作ってしまう
5クラスの対抗試合なので、日本の様に赤組み白組に加え黄色組みとか黒組みを作ろうと思った。
クラス委員を決めて何色が良いか決めさせたら、
シマウマ組み レインボー組み 赤黒組み 黒金組 ホットピンク組とかになり、ただの白組なんかにはならない。
アメリカ人は子供の時から「好きな色は何?」「嫌いな色は?」と聞かれて育っているので、
色を決める時のクラスの熱気はすごい。
その上アメリカ人のジュリア先生の発案でクラスの旗を作らせる。
アメリカでは国旗が町の至る所に見られるが、旗に対する執着心も強い。
結局色だけでなくクラスのテーマも決めたいと言い出し
ピカチュウー組 グデタマぐみ 忍者組などの 日本のアニメのテーマがずらりと並び
大騒ぎになり やっとクラスで一つのテーマが決まり旗が作られた。
こうして益々クラスの団結力が高まった。
運営は生徒に任してしまう
学校行事を成功させるのは日本でもアメリカでも大変な仕事だ。
運動会1回目はすべてジュリア先生と二人で準備して大変だったのを思い出す。
でも今は行事の間はほとんど教師は何もしなくてよくなった。
生徒が全部行事を運営してくれるのだ。
まず4年生(AP)のクラスが役割分担をする。
運動会運営委員会を3回昼休みに開いて、各クラスの運動会委員が出席した。
APの代表が話し合いをリードして、
今年は何の種目をするかを決める。 そして各クラスに1,2の種目の責任を持たせる。
たとえばパン食い競争が責任だったら、パンを買って糸でつるすなどの準備をするのだ。
さらに競技のルールの説明 審判もすべてそのクラスが責任をもってするのだ。
ジュリア先生が用意してくれた細かいルールと必要品の詳細を書いた書類に基づき生徒は準備した。
4年目を迎えるAPはラジオ体操 応援チアーをステージの上でリードして また生徒宣誓もした。
審判の点数加算、最後のクッキーを配るのもしてくれた。
4つ年下の1年生は4年生になったらこんな事出きる様になるのかな。と
思いながら参加していた。
司会とリーダーシップの技術は生徒の方が上手
今年の一番よかったのは生徒の司会だった。
いつも全体をリードする司会者によって全体の盛り上がりが決まる。
今年はよく学校行事や外部のイベントなどでよく司会をしてドラマのクラスをとっているモシュ君とベネッサさんに司会をしてもらった。
決して「静かにしなさい」とか言わずに
「はい皆 手を上げて、3回手をたたきましょう。」
と言い皆の注意をひいて全体を纏め上げる技術には
本当に感心した。
競技の紹介 競技中の応援の言葉などの本当にプロフェッショナルだった。
この大人数をまとめる技術 今度私も教えてもらいたいものだ。
ミニ運動会創始者ジュリア先生は3人目が生まれたので、去年は日本語を教えないで体育だけ教えた。
子供3人連れて運動会を見に来てくれた。
行事をしてよかったと思う事は
規模は小さいが、このような行事をすると教えていてよかった。
と思う。
それは、生徒が毎年成長していって、四年生になったら、
後輩をリードして、手伝ってくれて 行事をリードしてくれるようになった
と言う喜びだ。
卒業式には日本語のクラスの仲間は家族のように親しくなる。
日本の文化を学んでよかった と言ってくれる。
今年で10年目の運動会をむかえた。
日ごろより、このブログでアメリカの学校のよいところばかり紹介しているが、
正直言うと
アメリカでは日本の文化の素晴らしさばかりを紹介しているのだ。
その一つに
日本の運動会に象徴される「一体感」という気持ちを
私の日本語のクラスで生徒に経験させている。
一日に1時間しか一緒に過ごさないが、
日本語のクラスはみんな家族なんだよ。と言ってあげる。
だから日本語のクラスは
「僕の一番好きなクラス」
と言ってくれる生徒がいるのだ。
日本語のクラスで日本の運動会をはじめて今年で10年目を迎えた。
運動会をはじめたきっかけは相棒のアメリカ人の日本語のジュリア先生が日本に行って
運動会に感動し、ここでもやろうと言って企画したのだ。

運動会とよんでもいいのか?
と言っても日本人から見れば我々の運動会は運動会とは呼べないかもしれない。
まずあまり走ってはいけない。
これは前にも話したが、ライアビリレティーと言って事故に対する責任が重いので、
怪我をしたら大変な事になるのだ。
だから全部早歩きをさせた。
次に学校全体が運動会をすると言うのはありえないので、
日本語のクラスだけ5クラスが放課後に2時間行うだけである。
それも希望者だけで、参加者にはエキストラトラクレジットと言って
小試験に点数を少し加算してあげるのだ。
エクルトラクレジットというのは生徒に大人気。
たとえば、今までの小テストの合計点が`1500点だとする。
そこに運動会に参加したら10点追加する。とか
授業中にゲームをして勝ったチームには1点あげる。
とかいう事だ。
たいして成績に変わりはないのだが、私の学校の生徒は大喜びするのだ。
今年運動会に参加した生徒は全体の90%以上だった。
生徒は大好きだ。
アメリカ人は整列の仕方を知らない
競技内容は
開会式
1.入場行進 2日本の君が代 国旗掲揚 3.ラジオ体操4宣誓 5チームチャント
ゲーム
1 風船割り競争(おしりで風船を割る) 2. 玉いれ 3ヒューマンノット 4パン食い競争 5 ムカデ競争6.Japanese Relay
閉会式
1 結果発表 2表彰(勝ったチームにプレゼント)3.参加者にチョコレートクッキーを

human knot はアメリカのゲーム?
と格好よさそうだが、実は.......
日本人から見れば入場行進もめちゃめちゃ。きちんと並んで行進なんかした事がないから飛び跳ねたりぶらぶら歩いたり。ただ共通して言える事は生徒は興奮の絶頂で楽しくて仕方がない。という事。
そもそもアメリカの生徒は整列をしたことがない。だからまっすぐ並ばせようとしても絶対に無理だ。
だれか「前にならえ」のビデオを作ってくれたらそれを私の生徒に見せたい。
整列するという事を知らないのだ。
日本人から見れば今時君が代なんて。。と思うかもしれないが、きのうアメリカで150人の生徒が日本の国旗を掲揚したのだ!!
ラジオ体操 これも今は「ようかいたいそう」 なのだよ。と言われそうだが、生徒はすごく好きなのだ。
この2ヶ月授業のはじめにまずラジオ体操をしたが、生徒は面白がってめちゃめちゃ喜ぶ。
しかしこれまた日本人には見せられない。腕は曲がっているし音楽に合っていないしめちゃめちゃだ。からだを回すところなどになると「ワー」とかいう歓声をたてながら皆で体を回しておもしろがってまわすのだ。
日本の先生に見せたらおこられるの間違いなし

生徒が楽しめばよいのだ
前にも話したが、アメリカの学校行事のほとんどは親に見せるものでなくて生徒が自分達の為にするものである。
だからこの運動会を見に来た人はいない。
たまたま通りかかった先生方や管理職があとで
"Wonderful!!"
というコメントを言ってくれる。
それは生徒がまっすぐ整列しているからとかじゃなくて
生徒が本当に楽しんで日本の文化「運動会」をしているからだ。
だから整列がへたでも ラジオ体操の腕が曲がっていようと問題にならないのだ。
運動会の準備練習時間は全部で2時間あまりしかかけていないし....
それに時間外勤務など払われないのに放課後にこの様な行事を自ら行う。
これまた日本的で アメリカでは褒められる。
ピカチュウ組まで作ってしまう
5クラスの対抗試合なので、日本の様に赤組み白組に加え黄色組みとか黒組みを作ろうと思った。
クラス委員を決めて何色が良いか決めさせたら、
シマウマ組み レインボー組み 赤黒組み 黒金組 ホットピンク組とかになり、ただの白組なんかにはならない。
アメリカ人は子供の時から「好きな色は何?」「嫌いな色は?」と聞かれて育っているので、
色を決める時のクラスの熱気はすごい。
その上アメリカ人のジュリア先生の発案でクラスの旗を作らせる。
アメリカでは国旗が町の至る所に見られるが、旗に対する執着心も強い。
結局色だけでなくクラスのテーマも決めたいと言い出し

ピカチュウー組 グデタマぐみ 忍者組などの 日本のアニメのテーマがずらりと並び
大騒ぎになり やっとクラスで一つのテーマが決まり旗が作られた。
こうして益々クラスの団結力が高まった。
運営は生徒に任してしまう
学校行事を成功させるのは日本でもアメリカでも大変な仕事だ。
運動会1回目はすべてジュリア先生と二人で準備して大変だったのを思い出す。
でも今は行事の間はほとんど教師は何もしなくてよくなった。
生徒が全部行事を運営してくれるのだ。
まず4年生(AP)のクラスが役割分担をする。
運動会運営委員会を3回昼休みに開いて、各クラスの運動会委員が出席した。
APの代表が話し合いをリードして、
今年は何の種目をするかを決める。 そして各クラスに1,2の種目の責任を持たせる。

たとえばパン食い競争が責任だったら、パンを買って糸でつるすなどの準備をするのだ。
さらに競技のルールの説明 審判もすべてそのクラスが責任をもってするのだ。
ジュリア先生が用意してくれた細かいルールと必要品の詳細を書いた書類に基づき生徒は準備した。
4年目を迎えるAPはラジオ体操 応援チアーをステージの上でリードして また生徒宣誓もした。
審判の点数加算、最後のクッキーを配るのもしてくれた。
4つ年下の1年生は4年生になったらこんな事出きる様になるのかな。と
思いながら参加していた。
司会とリーダーシップの技術は生徒の方が上手
今年の一番よかったのは生徒の司会だった。
いつも全体をリードする司会者によって全体の盛り上がりが決まる。
今年はよく学校行事や外部のイベントなどでよく司会をしてドラマのクラスをとっているモシュ君とベネッサさんに司会をしてもらった。
決して「静かにしなさい」とか言わずに
「はい皆 手を上げて、3回手をたたきましょう。」
と言い皆の注意をひいて全体を纏め上げる技術には
本当に感心した。
競技の紹介 競技中の応援の言葉などの本当にプロフェッショナルだった。
この大人数をまとめる技術 今度私も教えてもらいたいものだ。

ミニ運動会創始者ジュリア先生は3人目が生まれたので、去年は日本語を教えないで体育だけ教えた。
子供3人連れて運動会を見に来てくれた。
行事をしてよかったと思う事は
規模は小さいが、このような行事をすると教えていてよかった。
と思う。
それは、生徒が毎年成長していって、四年生になったら、
後輩をリードして、手伝ってくれて 行事をリードしてくれるようになった
と言う喜びだ。
卒業式には日本語のクラスの仲間は家族のように親しくなる。
日本の文化を学んでよかった と言ってくれる。
今年で10年目の運動会をむかえた。

- 運動会
- Related Entries
-
- アメリカで日本の運動会をしたらこうなった (Nov. 09 2015)
- ストレスフリーデーとハローウィンが合体 (Oct. 31 2015)
- 日本の巨大組体操 海外の反応 (Oct. 07 2015)
- アメリカの高校生に見る寄付文化-3.11で60万円東北へ寄付 (Mar. 11 2015)
- 日本の先生への感謝の気持ちーアメリカの遠足 (Feb. 06 2015)
- 一番かわいそうなのは日本の子供だ:教員多忙問題 (Jan. 12 2015)
- えっ!子供ってこんなに元気なの?ー国旗掲揚と開会式 (Oct. 26 2014)
- 手作り朝食で迎えられた第一日目 (Aug. 30 2014)
- 生徒会がリードするオリエンテーションデー (Aug. 20 2014)
- 教師の知らない新入生の第一日目 (Aug. 19 2014)
- 学校行事はすべて生徒会が主催する (Aug. 03 2014)