「やけ弁ー第1回」を見てアメリカの教師が語る
- 2018/06/01
- 10:14
土曜ドラマ「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」会見
を見て非常に面白いと思った。これは単にドラマなので、すべてが日本の学校を象徴しているとは思わない。
ただ
その他
NHKでのドラマ、「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」が、学校での労働実態を赤裸々に語っています。#やけ弁
などと現実的なドラマに捉えているツイッターも多いので、アメリカで教えていて気がついたことを書いてみる事にした。
先生は生徒の体には触れてはいけない
望月先生が騒いだ水島を強引に手をつかんで座らせた。と言う事実。アメリカでも生徒の体に先生は触れてはいけない。という決まりがある。暴力 喧嘩などの多い学校や、特別支援の先生は、生徒の喧嘩や取っ組み合いを生徒の体を触れずに止める方法を訓練されるそうだ。私は日常、生徒にハグしたり、肩を叩いて褒めたりするのは控えるように極力気をつけている。最近はビデオにすぐに撮られるので、気をつけなければならない。
スクールロイヤーがいなくても法律 規約に基づいて行動
アメリカでは学校にロイヤーがいる事もあると言っているが、私の学校にはいない。おそらく市の教育委員会にはいるだろうが。ただ言える事は 学校全体が法律 校則 規約 規則に従って動いている事だ。 規約は200ページに渡る市の教育委員会の用意した物があり毎年改定される。 管理職はその規約に精通している。 特殊な場合は専門の法律家に聞くのだろう。 その法律 規約の量は膨大で先生は把握できないので、事件があった場合 管理職の判断に委ね我々教師は決断しない。
教師の授業時間は外部の人は勝手に使えない
望月先生が話し合いの為に3時間職員室にいて、授業ができなかった。とあるが、そういう事は絶対にない。教員の手におえない場合、管理職に任せ 管理職がモンスターピアレンツと話し合い、先生は授業をする。 先生は空き時間に話し合いに加わってもいい。 一人の生徒の為に授業をキャンセルすると、他の生徒にフェアじゃないし そもそも授業が遅れてしわ寄せが出来る。レッスンプランがあらかじめあり、1時間でも休むと後で生徒も先生も被害を被る。 各先生の授業時間はその先生の時間として尊重され、外部の都合で動かす事は出来ないし、もし先生の時間を他の人が奪ったとしたらそれは失礼な行為である。
家庭訪問
先生が生徒のお宅に行く事 - これは先生の安全性にかかわるので、危険だと思う。学区によっては必要に応じてソーシャルワーカーが生徒の家を訪問すると言うのは聞いた事がある。特殊な場合を除いて、家庭訪問というのは日本独特な物ではないか。私は生徒の家や家の中の物を見て、生徒を判断するべきではないと思うので家庭訪問の必要性を感じない。
日本の先生は熱心
望月先生が生徒の作文に心のこもったコメントを書き入れていた。 アメリカの先生がそんな事をしないというわけではないが、日本の先生は一般的に熱心だと思う。アメリカでも沢山の日本人の先生が活躍していらっしゃるが、日本人の先生は特に生徒思いで自分の個人の時間を使ってでも生徒の為に尽くす先生が多い。この点日本人は先生に感謝すべし。
先生と管理職の役割分担の違い
生徒が望月先生の頭にバケツの水をかけた。 この後、望月先生はどの生徒がやったか追いかけて確認。 そして、「水島さんちょっと来て、話しましょう。」と言う。 ここまではいい。 でも その後水島が来ないので、手をつかんで引っ張る。-これはまずい。生徒の体に触れてしまったからだ。
自分だったら、本人を確認したら、すぐに管理職に連絡。管理職が本人を呼び出す。もし生徒が呼び出しを無視したら、キャンパス巡査員が迎えに来るだろう。 そして管理職が事情を聞いて、何があったか どうしてそんな事をしたのか。と 生徒と1時間ぐらいあるいはもっと話す。 この場合親も呼び出されるだろう。 アメリカで先生の頭にバケツの水をぶっかけたら 即座に 退学処分か 少なくても停学処分になるだろう。
アメリカだったら管理職に連絡したら、先生は管理職に後をまかせ授業に戻り、普通に授業を続ける。 この場合は頭が濡れてるので私だったら早退してその日はゆっくり休み あとは代理教員にクラスを任せる。代理教員の費用は自分の有給休暇を使わず学校に払ってほしいと交渉するだろう。
この先生 管理職 巡査員 代理教員などの役割分担が明瞭で、非常時にすぐに対応できるようになっているアメリカのシステムは非常に優れている。もし、こういうバックアップがあれば、望月先生も生徒を引っ張ってでも連れていこうとしなかったと思う。
プライバシーのなさ
職員室の皆の見ている前でこの問題について話しているのは日本的だ。望月先生の立場上もあり、アメリカでは、プライバシーを考慮して、皆の前で個人的な事を話したりしない。管理職の個室で話す。アメリカは職員室がないし 生徒も毎時間教室を移動するので、生徒や先生の噂が飛び交う率が非常に低い。この点私はアメリカの学校でよかったと思った。
教室で望月先生が水島を叱るのもなるべく避けたい物だ。 やむを得ずこういう事態になってしまう事もあるが、水島がなぜこのような事をしたのか 管理職 カウンセラーなどが個室で時間をかけて本人と話す方がいいと思う。 他の生徒の前でどなったり、大声で叱ったりしてもあまり意味がない。
ちなみに アメリカでは生徒がカンニングなどしても、皆の前で叱ったりしてはいけないと言われている。メモをこっそり渡して、後で話す。
詳しくは 「先生に暴言を吐いたらどうなるのか?」
生徒への処罰が全然描かれていない
ドラマを見て一番腹が立ったのは、水島が先生の頭にバケツの水をかけ、更にお弁当の食べ物を先生の頭にかけた事だ。 腹が立つ事極まりないし、そんな事絶対にありえない。(私の経験からですが)
更に、水島に対しての処罰が何も描かれていなかった事だ。 一ついえる事はこういう事をする生徒に処罰を与えないと、他の生徒も同じ様な事をするという事だ。 反対に一回だめだと一人の生徒を通して教えると、他の生徒はしないという事。 私の学校だったら、即退学か停学になる。「職員に対する暴言を吐くと退学又は停学」という校則があるので、生徒はこんなバカな事はまずしない。(日本でもこれはドラマだからでしょうが)
校則のあり方について
加害者 水島の行為を責める言葉はなかった
これはドラマだからなのだろうが、加害者水島のやった行為がどういう意味なのか 何が悪いのか。どうしてそんな事をしたのか。と聞いてあげて、正そうとする場面が全くなかった。親 校長を含め自分の体裁ばかり考え、生徒本人の事を考えてあげている様子は見られなかった。おそらく望月先生だけが水島の事を考えてあげていたのであろう。ドラマだから、と言えばそれっきりだが、よく日本のいじめ問題で いじめの加害者の事が問題にならず、こんな感じでベールに包まれたまま終わってしまい不思議に感じるが、一番大切なのは加害者に自分のした事が悪いと気づかせる事。又他の生徒に同様な事をさせない事だと思う。
これはドラマだからなのだろうが、加害者水島のやった行為がどういう意味なのか 何が悪いのか。どうしてそんな事をしたのか。と聞いてあげて、正そうとする場面が全くなかった。親 校長を含め自分の体裁ばかり考え、生徒本人の事を考えてあげている様子は見られなかった。おそらく望月先生だけが水島の事を考えてあげていたのであろう。ドラマだから、と言えばそれっきりだが、よく日本のいじめ問題で いじめの加害者の事が問題にならず、こんな感じでベールに包まれたまま終わってしまい不思議に感じるが、一番大切なのは加害者に自分のした事が悪いと気づかせる事。又他の生徒に同様な事をさせない事だと思う。
本当にスクールロイヤーは必要か
モンスターピアレンツに振り回されている原因は何か。
私の学校だったら、管理職がバッチリモンスターピアレンツを説き伏せてくれる。法的に訴えられたらロイヤーは必要だけど、そうでなかったら、毎日はいらない。こうなるのは単に管理職の力不足に過ぎない。ドラマの管理職はアメリカの学校だったら力不足でまず通用しない。
その理由は ドラマの管理職は
1.専門の法律 規約を知らないか 法律規約どおりに動かない。
2.感情に振り回されて行動している。
3・モンスターピアレンツをコントロールする事ができない。
4・生徒の将来を考えて生徒指導していなくて、自分達の世間体ばかり気にして行動している。
5.弁の立つ説得力の技術がない
6.リーダーシップスキルがない
「やけに弁のたつ」のは弁護士でなく管理職の持つべき物だと思う。
日本もだんだん口の達者な人が勝ってゆく時代になったな。と思いました。
アメリカの管理職が優れているのは、子供の時からアメリカの教育で強調されている、リーダーシップのスキルの教育、説得型スピーチの教育にあると思う。 又、管理職になる為には5年の教職経験後 学校の管理職になる為の修士を取らなければいけなくてそこでトレイニングされているからだろう。
アメリカの大学院の学校のリーダーシップ部門へ様々な国の人が学びに来ている様だが、日本もグローバルに他国の学校システムを取り入れれば 先生たちが授業に専念できるシステムに改善できると思う。。
UC バークレー大学 校長のリーダーシッププログラム
モンスターピアレンツに振り回されている原因は何か。
私の学校だったら、管理職がバッチリモンスターピアレンツを説き伏せてくれる。法的に訴えられたらロイヤーは必要だけど、そうでなかったら、毎日はいらない。こうなるのは単に管理職の力不足に過ぎない。ドラマの管理職はアメリカの学校だったら力不足でまず通用しない。
その理由は ドラマの管理職は
1.専門の法律 規約を知らないか 法律規約どおりに動かない。
2.感情に振り回されて行動している。
3・モンスターピアレンツをコントロールする事ができない。
4・生徒の将来を考えて生徒指導していなくて、自分達の世間体ばかり気にして行動している。
5.弁の立つ説得力の技術がない
6.リーダーシップスキルがない
「やけに弁のたつ」のは弁護士でなく管理職の持つべき物だと思う。
日本もだんだん口の達者な人が勝ってゆく時代になったな。と思いました。
アメリカの管理職が優れているのは、子供の時からアメリカの教育で強調されている、リーダーシップのスキルの教育、説得型スピーチの教育にあると思う。 又、管理職になる為には5年の教職経験後 学校の管理職になる為の修士を取らなければいけなくてそこでトレイニングされているからだろう。
アメリカの大学院の学校のリーダーシップ部門へ様々な国の人が学びに来ている様だが、日本もグローバルに他国の学校システムを取り入れれば 先生たちが授業に専念できるシステムに改善できると思う。。
UC バークレー大学 校長のリーダーシッププログラム
Principal Leadership Institute
ドラマで気に入った言葉:「おかしいままを おかしいままにしておくと さらにおかしくなる。」
ーー以上 ドラマの感想でした。本当に面白いドラマで、次回を楽しみにしています!!
ーー以上 ドラマの感想でした。本当に面白いドラマで、次回を楽しみにしています!!
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- Topic:学校経営
- Genre:School
- カテゴリ:教員働き方改革
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